英語はコスパよく一発逆転を狙う手段だ

近い将来には、「抜きんでた英語4技能」のみを武器に、中学・高校入試、大学入試、就職を突破する道も、開かれるでしょう。大学は現在、国語・数学といった「総合学力の偏差値」を評価基準として、東大を頂点とするヒエラルキーを構成しています。しかし、今後は英会話やプログラミング、思考力といった、実社会のニーズが高い「特定の技能」に基づく第二、第三の評価軸ができ、教育界の勢力図も大きく塗り替えられるでしょう。小学校から英語力を鍛え、海外の有名大学やグローバル企業に進むといった、新たなエリートコースも台頭するでしょう。

中学を受験する小学生やその保護者にとって、英語入試は、一発逆転を狙える大きなチャンスでもあります。低学年から学習塾に通わなくても、さほど難しくない英語入試を突破するだけで、将来社会で必要とされる力を育てられるからです。「卒業までに英検2級クリア」を目標に掲げる中学は少なくありません。文化学園大学杉並は、決して偏差値の高い学校ではありませんが、日本とカナダの高校卒業資格が同時に取得できる「ダブルディプロマプラグラム」を採用。カナダ人教師との英会話を実践し、生徒の英語力を向上させました。同プラグラムの第1期卒業生は早慶上智のほか、海外有名大学などに進学しています。三田国際学園も、グローバルレベルの英語力が身につくと高い評価を受けています。大妻中野や共立女子は、学校ぐるみでフィリピンのオンライン教室に参加しています。

現在の偏差値や学校のブランド名にとらわれすぎずに、中学の英語カリキュラムをよく調べ、新しい選択肢を選ぶのも一つの方法でしょう。

(構成=野澤正毅)
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