「チェンジドラゴン」の仮面の下は英語家庭教師

「今年は辰年ですから、僕にとっては特別な年なんです」と語るのは、ブラジル・サンパウロ市で英語の家庭教師を生業としながら日本語を学習中のダニー・ツルギさん(45)だ。教師は仮の姿で、実は『電撃戦隊チェンジマン』のレッドヒーロー「チェンジドラゴン」のコスプレ歴19年の“ガチ”な特撮ヒーローファンだ。なるほど辰年が特別なのはドラゴンゆえか! その入れ込みようはコスプレのために日々の筋トレを欠かさないほど。

レッドドラゴンのスーツでポーズを決めるダニー・ツルギさん
筆者撮影
チェンジドラゴンのスーツでポーズを決めるダニー・ツルギさん

1988年、ツルギさんが10歳のときにブラジルの地上波で同時に放送された『電撃戦隊チェンジマン』と『巨獣特捜ジャスピオン』から日本製特撮ヒーローのとりこになり、愛好家を貫いてきた。

10代のときに母親に買ってもらった特撮ヒーローのLPレコードを手にするツルギさん
筆者撮影
10代のときに母親に買ってもらった特撮ヒーローのLPレコードを手にするツルギさん

コロナ禍で太って「脱退」したメンバーも…

ツルギさんは、特撮やアニメのコスプレイヤーが一堂に会するブラジル最大のアニメイベント「アニメ・フレンズ」などでコスプレを披露してきた。これまでチェンジドラゴンを単身演じてきたツルギさんが、他4人のメンバーと戦隊を組んで披露できたのは、2019年のアニメ・フレンズただ1回だけだ。

「他の州で暮らすメンバーもいますし、パンデミック中に太って脱退した女性メンバーもいたんです」とスーパー戦隊ものゆえの難しさを嘆く。

日本製特撮コスプレ専門家に作ってもらったヘルメットとカーニバルの衣装製作者につくってもらったコスチューム
筆者撮影
日本製特撮コスプレ専門家に作ってもらったヘルメットとカーニバルの衣装製作者によるコスチューム

ツルギさんはコスプレ以外にも、ブラジルの特撮ヒーロー専門ポッドキャスト「特キャスト(Tokucast)」にしばしば出演するなどその界隈のご意見番としての活動も重ねており、特撮仲間との交流が厚い。

「来年は僕にとってコスプレ20周年。今年は記念すべき辰年なので、今から来年に向けて僕の特撮コスプレ遍歴についてのドキュメンタリー映像を撮りたいと思っています」

昨年は初めて日本を訪問したこともありモチベーションが上昇中のツルギさん
筆者撮影
昨年は初めて日本を訪問したこともありモチベーションが上昇中のツルギさん
決めポーズを決めるツルギさん
筆者撮影
昨年末の日本訪問時にもこのヒーロースーツを持参し各地で撮影した