欲深いのではなく、欲がないからお金が貯まらない

次に、「私は1000万円貯めてやる」と紙に書いて、机の前などの目立つ場所に貼っておこう。

すぐ目に入る場所なら、トイレでもいいし、食卓の上でもいい。何カ所かに貼っておくと、なおいいだろう。あなたの欲望が強ければ、スマホの待ち受け画面やパソコンのスタート画面にもこの言葉を書くことだろう。誰かに見られてもかまわない。あなたの欲望を理解し、応援してくれる人が多ければ多いほど、目標に近づくはずだ。

冷やかす人がいても、かまわない。それも練習だと考えよう。富を築く道のりで、常に周囲から冷やかされるだろうからだ。こうした嘲笑や非難を投げつける人は、あなたの富が彼らの手の届かないほど大きくなれば自然と減っていくので、気にする必要はない。

以上のふたつの方法は、次に挙げる3つ目の方法に比べて簡単なように見えるが、じつはいちばん難しい。人の心を変えるほうが、行動するより大変だからだ。お金持ちになれない人の大半は、能力やチャンス、種銭がないからではなく、本当にお金持ちになろうという欲のない人だからだ。

クレジットカードは「1000万円貯金」の大敵

3つ目の方法を実行するには、ある道具が必要だ。

ハサミを探してきて、クレジットカードを切り捨てよう。富を蓄えるための必要条件は、複利を味方につけることだ。片や、クレジットカードは複利の敵だ。敵に回した複利は、あなたの首を絞め、しばしば邪魔をするようになる。だから複利を自分の友にして、協力させるために、まずクレジットカードを切り捨てるのだ。複利を味方にすれば、お金を周りに集める準備ができたことになる。

これからは現金とデビットカードだけを使おう。小銭が増えると不便だし、デビットカードは銀行に残高がないと使えない。だが、心配は無用だ。少し我慢していれば、複利が助けてくれる。最初の1カ月か2カ月は、買いたい物も買えず、苦しいかもしれない。だが、苦しさに耐えて薬物中毒から抜け出すように、未来の所得ではなく現在の所得で生きる習慣を身につけるべきだ。

4つ目の方法は、銀行口座を複数作ることだ。

ひとつの口座に光熱費や生活費など全部入れておくのではなく、追加で3つか4つ口座を作り、そのうちひとつは純粋な生活費だけを引き出す口座とする。この口座には、家賃、通信費、交通費など必須の生活費だけを入れておく。そして他の口座には、外食費やコーヒー代など、余裕資金と決めた金額だけを入れておくのだ。その額は月初に決まった分だけ入れておき、月中で使い果たしても、他の口座から移したり借りたりしてはならない。