「夫婦で旅行に行かない」が全体の42%

休みの日に自宅で過ごす際、「夫婦で共に遊ぶ」割合を見てみましょう。

こちらもやはりというべきか、若い世代ほど多く、25~34歳の男性は36%という回答が出ています。先ほど「趣味」で結びついた夫婦も多いことが窺えましたから、同じ趣味のテーマでゲームや映画鑑賞などをしているのでしょうか。ただ、55~64歳になるとグッとその数値は下がり、男性14%、女性12%と、極めて低くなっています。60歳もしくは65歳で定年退職を迎え、自宅で過ごす人が増えてくる世代ですが、「夫婦で共に遊ぶ」が1割強しかいないとなると、老後の生活に少々不穏な空気が漂ってきそうです。同じ空間に存在しながら一緒に遊んでいない、または別々に時間を過ごしているということでしょうか。

余暇といえば旅行ですが、コロナ禍の影響がまだ残るとはいえ、「夫婦で旅行に行かない」ケースが全体の42%に上るのも、少々多い気がしました。もっとも55~64歳夫婦になると、むしろ旅行の回数は増えるようです。中年期は家族旅行はなかなか時間もお金もかかるので頻度としては減少し、それに対して定年退職後は、時間とお金の余裕を投入する、そんなスタイルも見えてきます。周囲を見渡しても、日頃あまり仲が良いとは言えない夫婦も、たまに「一緒に旅行に行ってきた」という話も聞くので、無言ながら「旅行には行く」夫婦もかなりの割合で存在するのかもしれません。

露天風呂
写真=iStock.com/7maru
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「手をつないで外を歩く夫婦」が4割弱

意外に予想が外れたのが、「出かけるときに手をつながない」の62%(全体)でした。要するに、「手をつないで外を歩く夫婦」が4割弱になるということです。もっと少ないのではないかと想像していたので、少々驚きました。もっとも世代間の違いはあります。当然といえば当然ですが、高齢夫婦になるにつれ「手をつなぐ」夫婦は少なくなり、55~64歳の夫婦は男性70%、女性77%が「手を全くつながない」と答えています(25~34歳の男性は28%、女性は41%)。若い世代は、欧米的な親密度の高いスキンシップを当たり前にしていると言えるのか、それとも恋愛気分がまだ残っているだけで、30年後は彼らもやはり、手をつながない夫婦になってしまうのか、気になるところです。

日本人は「愛情を言葉で表現するのが苦手だ」とよく言われますが、長年連れ添った夫婦となればさらにその傾向は強まるようです。「愛情を言葉で表現する」かどうかについて、「毎日」は8%、一方、「月に数回以下」は82%という結果になりました。「月に数回以下」をさらに掘り下げると、「愛情を言葉で表現することが全くない」が45%ですから、日常生活で「愛情」をどのように確認しているのか、という疑問が新たに湧いてきます。