北川景子の神髄をWOWOWドラマに見た

4位 北川景子 43点

笑うことを封印した女の凄絶な過去

NHK大河で2役(市、茶々)をこなし、狂気の沙汰もぞんぶんに見せた北川。

「女神の教室」(フジ)では、法曹界を目指す若者に思慮深い授業をおこなう教員役。元裁判官の知性を柔らかな表情で演じた。最大の功績は「落日」(WOWOW)の演技だ。

全4話でほぼ笑わないヒロイン。罪の意識で笑うことを律しているからだ。自分が関与したかもしれない事件を題材に作品を撮る映画監督役だが、それによって「赦し」を得られるか自問自答を繰り返す。無表情で想像以上に多くを語った北川に拍手を。

ベスト3の前に、次点をご紹介。

35点をマークしたのは片山友希。朝ドラの他に「City Lives」(フジ)、「何曜日に生まれたの」(テレ朝)、「Get Ready!」(TBS)、「SHUT UP」(テレ東)などに出演した。やや舌ったらずな話し方でも甘えた感じは一切なく、知的で辛辣しんらつな女友達を好演。ヒロインを支えるバイプレイヤーだ。

33点で並んだのは山田真歩・円井わん・宮澤エマの3人。もうこのあたりは完全に私の好みと作品数によるところが大きい。そろそろベスト3へ。

毒母をやらせたら日本一

3位 余貴美子 43点

田舎の母、認知症の母、あばずれの母と母役三昧

余貴美子さん
余貴美子さん(画像提供=アルファエージェンシー)

「やさしい猫」ではスリランカ人と付き合う娘に反対した田舎の母。「教場0」(フジ)では、染谷将太演じる刑事の実母役で認知症を発症。特にフルスロットルでかましたのは「サンクチュアリ」(Netflix)。

主人公の母親役は、今でも目に浮かぶほどのあばずれっぷりで、戦後まもない頃にタイムトリップしたような感覚へ誘った。金の無心をするわ、植物状態になった夫(きたろう)の病室でタバコ吸うわ愛人の黒人男性とイチャつくわで、なかなかの鬼畜。息子ととっくみあいの喧嘩をするシーンも忘れられない。

映画「吉原炎上」の西川峰子(現・仁支川)と並べて、心の奥底にしまっておきたい。強欲で業が深い、この手の役では他の追随を許さない余貴美子の女優魂に、敬意を払って3位入賞に。

2位 北香那 45点

誤解されがちだが1本の芯が通ったブレない女を好演

北香那さん
北香那さん(画像提供=アルファエージェンシー)

「バイプレイヤーズ」シリーズ(テレ東)で、大杉漣の元マネージャー・ジャスミンを演じて以来、引く手あまた。1話ゲストも多いが、印象に残ったのはNHK「東京の雪男」の主役、「どうする家康」で演じた側室(猪殺しのお葉)だ。

多様性という共通項もあるが、香那が演じる女性の芯の強さは妙に脳裏に焼き付く。「18/40」(TBS)では運送会社の元気女子役で登場。四十のヒロインに恋する男性を好きになり、直球でぶつかって引く潔さ。香那が登場したので観続けたよ。

「たそがれ優作」(BSテレ東)ではうわばみの女記者、「ノンレムの窓・夏」ではスーパーのバイトだが実は切れ者という役。「インフォーマ」(カンテレ)で、愛した男(横浜流星)も慕っていた義兄(淵上泰史)も殺されるという悲劇のシンママキャバ嬢役が、最もしっくりきたかな。