「知的なおじさん」と「そうでないおじさん」の決定的な違い

でもホステスさんは、おじさんの付け焼き刃の知識を聞いて、「話がつまんない」と思っていることでしょう。

そんなに詳しいわけでもないのに、無理して若い人にウケそうな話をしようとするのは、今の若い人の言葉で言えば「イタい」だけです。

彼女たちは、おじさんのお客さんに対し、そんな話題を期待していないと思います。

かといって、「大人の教養…」とか「知らないと恥をかく…」といった文言を冠した教養本を読んで知識をひけらかすのも嫌われます。

本人は「君たちの知らないことをおじさんは知っているんだよ」と言いたいのでしょうけど、これも付け焼き刃の知識ですから、すぐに見抜かれてしまいます。

そもそも、「知らないと恥をかく」ことを知っていてもしょうがないと思います。

今の時代、スマホで検索すれば、その手の本に書いている程度の知識はすぐに得られます。調べれば誰でもわかることなのです。

それよりは、本に書かれていないこと、普通の人は経験しないようなことのほうが、若い人には興味を持ってもらえます。そこが知的な人とそうでない人の分かれ道です。

レストランでワインを飲みながら話す男女
写真=iStock.com/Kosamtu
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若い人たちの耳に残る話の種類

見た目が若く見える要素の1つに、私は「知性」があると思っています。

知性は顔ににじみ出ると言いますが、知性のある顔つきは、若く見えるというよりも、見た目を引き立てる大事な要素といったほうがいいかもしれません。

ではどういう会話をする人が知的に見えるのかというと、「人生経験が長いからこそ知っていること」を話せるかどうかということになるでしょう。

こう言うと勘違いする人もいて、「俺は若い頃、部長だったんだよ」とか、過去の自慢話ばかりする人がいます。

最悪なのは、その自慢話を毎回飽きずに繰り返す人です。

別にその人が昔部長だったことは、誰も興味がありません。むしろ嫌がられるだけでしょう。

ただ、年をとればとるほど、「この人の話はおもしろい」と「この人の話はおもしろくない」の差は大きくなってきます。

でもこれを読んで、前述の知識本に走るのでは本末転倒。

それよりも、「100軒のラーメン屋を回って見つけたおいしい店のベスト3はこれ」といった知識のほうがよっぽど若い人に興味を持ってもらえるでしょう。

自分が実際に食べた店なら、どのようにおいしいのかをリアルに語れるでしょう。そういう話のほうが若い人たちの耳に残るはずです。