「狩猟犬」が幸せに生きられる環境を用意できるか

大谷選手の横にいるので小さく見えますが、コーイケルホンディエの体重は8〜13kgほど。手足が長く細身の体と長い被毛で体重よりサイズ感は大きめ。日本人の感覚だと確実に中型犬です。

中型犬との暮らしは小型犬より制限があります。日本の賃貸住宅や宿泊施設では小型犬のみ可というところがまだ多く、鉄道などの公共交通機関もケース込みで10kg以下など会社によりさまざまな条件があり、乗車できないことも少なくありません。移動には車を用意することがベストです。移動用のしっかりとしたキャリーやバッグなどはそれ自身が重いため、10kg以下の小さめのコーイケルでも総重量は15kg近くなり、運ぶのはかなりの重労働です。

そして、この犬種と暮らすのに何より大切なことは運動です。思いっきり走らせてあげることが大切です。狩猟犬としての本能を満たす頭脳や鼻を使う楽しみがあるとさらに喜びます。

自然の中を駆け回る、狩猟犬系の保護犬だった筆者の愛犬
写真=©inu*maru
自然の中を駆け回る、狩猟犬系の保護犬だった筆者の愛犬

山や森が大好きです。アクティブな飼い主さんには最高の相棒となるでしょう。中型犬は体が小さい分大型犬よりもスタミナ・持久力共に勝っている上、全身筋肉のような体で瞬発力も高く、満足させるのは大型犬よりも大変です。当然、飼い主にもスタミナと持久力が必要、そして急な動きに備えて強い体幹も必須。そんな犬たちと付き合う時間と心の余裕も必要です。

犬の欲求が満たされてはじめて「飼いやすい犬」になる

コーイケルホンディエの性格をネットなどで調べると、「賢い・陽気・活発・穏やか・フレンドリー・繊細」などいい面がたくさん列記されています。文字だけ見ると「飼いやすい犬」と思ってしまうかもしれません。

しかし、これはすべての犬に言えるとても大切なことですが、犬たち個々の欲求が満たされてはじめて「飼いやすくていい犬」になるのです。欲求が満たされない場合、【賢い→神経質→ほえる】【活発→体力が有り余る→破壊行動】など、人間目線でいう「問題行動」が起きやすくなり「飼いにくい犬」になります。

つまり、「飼いやすい犬」など存在せず、すべては飼い主次第なのです。