“インドシフト”の波は勢いづく可能性
これまでの経済運営や金融行政を見る限り、習政権は経済や国内で事業を運営する企業は、すべて党指導部の指示に従わせると考えているようだ。そうしたスタンスは、長い目で見ると、民間部門の活力を減殺してしまうことも懸念される。
資本規制の強化で一時的に資本の流出を食い止めたとしても、規制による押しつけは最終的に長続きはしない。むしろ、高圧的な政策運営は政権に対する企業や個人の信認を毀損し、中長期的な資本逃避の圧力を強めることになる。
今後、中国から逃避する資金の受け皿として、インドは直接投資の誘致を強化するだろう。ASEAN地域の新興国や日米欧も、産業政策の強化や規制緩和によって半導体など先端分野の国内生産を増やさなければならない。今回のフォックスコンへの検査実施は、中国からインドなどへの資本逃避が勢いづくきっかけの一つになるかもしれない。