※本稿は、勝間和代『勝間式 超ロジカル選択術』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
お金を貯めたいなら「8:2」の原則
お金がない、貯金できないと言っている人の話をよく聞くと、月に何度も外食したり、しょっちゅうお酒を飲んだり、毎朝カフェに行くという人が珍しくありません。お酒や外食にお金を使っている限り、お金が貯まるとは思えません。たばこなどの嗜好品も同じです。
一番いいのは、お酒もたばこもすっぱりやめて自炊することですが、それは難しいと感じる人もいるでしょう。
私がおすすめしているのは「8:2」の原則を守ることです。
毎月の収入のうち、2割は口座から天引きで積み立てます。手取りが20万円なら、4万円です。残りの8割は、生活費のほか、趣味や外食など好きなように使って構いません。これを5カ月続けると、1カ月の給料分が貯まります。
こうして貯めた金額を月々の生活費で割ったものを、私は無収入生存月数と呼んでいます。収入がゼロになってしまったとき、何カ月間生存できるかという数字です。
月の生活費を15万円とした場合、180万円の貯金があれば、1年間は何もしなくても生き延びることができます。
この無収入生存月数が2年、3年分になると、選択肢がグッと増えます。
収入の2割を天引き貯金するだけで人生が変わる
会社を辞めて留学したり、資格の勉強をしたりするといった選択肢も得られますし、独立も視野に入ります。私は独立するとき、仮に収入がなくなってしまっても、5年は暮らせるだけの貯金があったので、踏み切ることができました。
積立は、続けることで大きな力になります。預金口座に資産が積み上がっていくのを見ると、好きなことしかやりたくなくなります。いまの仕事を辞めても1年や2年は暮らせると思うと、いやな仕事を我慢して続けなくてもいいという選択肢が生まれます。
転職するにしても、貯金がなければ、とにかく雇ってくれるところに就職しようと焦って妥協しがちですが、無収入生存月数が長いほど、時間をかけて納得できる職場を選んだり、キャリアアップに投資したりすることができます。
収入の2割を天引き貯金するだけで、人生が変わります。さまざまな選択肢が増え、結果として、より自由に生きられるようになるわけです。