大切なのは「資産」にどれだけ投資できるか

お金を大切にしましょうと言うと、とにかく出ていくお金を減らそうと財布の紐を締めがちです。ただ注意したいのは、目的は節約そのものではないということです。

大切なことは、無駄な支出を削減して浮いたお金で、将来プラスのリターンをもたらす「資産」にどれだけ投資できるかです。

会計用語では、BS/PLという言い方をします。会社の財務状況を表すものですが、PLが毎月のお金の出入りを記載しているのに対して、BSというのは、その会社が持っているストック、例えば工場や土地、株券などの資産を記載しています。

会社にとって工場や土地は、利益を生み出す源となるものです。つまり、将来にわたってお金をもたらしてくれるのが「資産」です。

私たちの生活でも同じです。「資産」を増やしていくと、そこからもたらされる利益が私たちの生活をどんどん豊かにしてくれます。

ブタの貯金箱に小銭を入れる男性
写真=iStock.com/ArLawKa AungTun
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代表的な「資産」は金融商品ですが、それに限らず、将来にわたってプラスのリターンをもたらしてくれるものをコツコツと増やしていきます。仕事の効率を高めて収入を上げるもの、お金や時間の支出を減らしてくれるものは、ここに含まれます。

この「資産」につながる支出を投資といいます。支出の中で、投資の比率を高めていくことで、時間が経つにつれて豊かな生活を送れるようになります。

「投資」と「消費」の区別をつけよう

投資と消費の違いは、次の通りです。

投資:将来、プラスのリターンをもたらしてくれるもの。時間が経っても価値が消えないもの
消費:使ったらなくなるもの。数年で価値が消えてしまうもの

私は、仕事で使うスマホやPCには積極的に投資しています。将来プラスのリターンをもたらすことがわかっているからです。

ホットクックなどの調理家電もそうです。ホットクックは数万円しますが、自宅で手軽においしい料理が食べられるようになると外食しなくなるので、将来にわたって出ていくお金を減らすことができます。数カ月も使えば元がとれると思います。さらにホットクックを使い続ける限り、おいしくて体によい食事を楽しむことができるので、生活の質が向上します。健康にも、ストレス解消にも貢献するのです。

このように仕事の効率や生活の質が上がる資産に対してコツコツ投資していくことで、無駄な支出が減り、おいしい料理などのアウトプットが増え、どんどん生活が快適になります。

一方、お酒や外食にはあまりお金を使いません。これは消費だからです。一時的に楽しい気持ちになるかもしれませんが、将来の資産につながるものではありません。

洋服も同じです。「一生もの」と思って買っても、ほとんどが数年後にはクローゼットの肥やしになるのではないでしょうか。