「スゴイ自分」を伝えることのデメリット
人は相手の印象を7秒で決めると言われています。たった数秒で「誠実そうだな」「気が弱そうだな」など、面接担当から「こういう人なのではないか」とイメージを持たれるのですね。これが、相手があなたの印象を決める第1ステップの視覚情報です。そして、次にくるのが第2ステップの聴覚情報です。
「はじめまして。松下公子と申します。本日はよろしくお願い致します!」
ハキハキと元気に明るいトーンで話せたら、見た目の印象からさらに好感度はアップします。「とても印象がいいこの方は、さらにどんな人なのか知りたい。話を聴きたい」と、第3ステップの言語情報へ興味関心は移っていきます。あなたの話が聴きたい、と思ってもらうためには、「視覚情報→聴覚情報→言語情報」という順番で3ステップを踏んで、面接担当の心をつかんでいく。そして、最終的にはあなたが面接で何を話すのか? その話す内容が大事になるのです。
「話の内容が大事となると、とにかく『スゴイ自分』であることを伝えないといけない」そう思ってしまう方も多いかもしれません。でも転職では「オーバースペック」という理由で不採用になる人もたくさんいます。要は優秀すぎて、「こんな簡単な仕事を与えたら退屈してしまうのではないか」「会社や上司の指示を聞かないのではないか」と判断されるケースです。
優秀すぎて何が悪い、と言いたくなる気持ちもわかりますが、即戦力になる人に来てほしいという思いと裏腹に、扱いづらい人でも困ります。正直に言うと、「自分の部下にしたいかどうか」が採用担当者の本音なのです。
「ミスコンに選ばれました」は逆効果
たとえば、私が転職サポートをしてきたなかでこんなケースがありました。
その女性は、大学では「ミス○○」に輝き、学生時代からテレビ局でリポーターを務めていたほど将来有望でした。見た目もかわいらしく接していても愛嬌があり、最初は「この人はすぐにでも内定をもらえる!」と思っていました。
ただ、実際に面接に進んでみるとまったく内定がもらえなかったのです。書類選考は通るもののなぜか面接試験で落とされていました。そこで、彼女に面接時にどんな話をしているのか聞いてみたところ、「ミスコンに選ばれました」ということを強調しすぎていることが分かりました。
たしかに大学でミスコンに選ばれることはすごいことです。アナウンサー志望者にとってミスコンは「女子アナの登竜門」と認識されていることもあり、面接時にアピールしたくなる気持ちもわかります。ですが、さきほどお伝えしたように、そのことが採用担当者からしたら「オーバースペックではないか」「こんな簡単な仕事を与えたら退屈してしまうのではないか」「会社や上司の指示を聞かないのではないか」と判断されてしまうこともあるのです。
どれだけ第一印象が良くても、どれだけ経歴がすばらしくても、あなたの価値が採用担当者に伝わらなければ内定を勝ち取ることはできません。