子どものチャレンジは「将来自分でできるようになるための練習」
では、どのような声かけをすればいいのでしょうか?
まず親自身が、子どものチャレンジはすべて「将来、自分でできるようになるための練習」と考えましょう。
そのうえで、練習には失敗体験の繰り返しがつきものだと覚悟することです。
そして、失敗に対しては「OK、大丈夫!」と冷静に対応し、挑戦しようと思ったことを「ナイストライ!」と褒め、何度でも子どもの「やってみたい!」につき合うことで、チャレンジを怖がらない子に育つのです。
また、「チャレンジさせることをゴール」にするのではなく、「新しい経験を1つ増やすことをゴール」にすることも大切です。
私は子どもたちに、「新しい挑戦のチャンスが巡ってきたときは、自分に新たな経験をプレゼントしてあげられるタイミングだから、積極的につかみにいくことが大切だよ」とよく言い聞かせていました。
「親の失敗談」で失敗を怖がらなくなる
もう1つのポイントは、親の失敗談を話して聞かせることです。
「失敗してもいいよ」という声かけはやめましょう、とお伝えしましたが、多くの親御さんが「失敗しても問題ない」ことを伝えたいと思っているはずです。そんなときは、ご自身の失敗体験をお子さんに披露してみましょう。
特に、小学生くらいまでの子どもは、「大人は失敗しない生き物」だと思っていますから、実際はそうではないことを教えるだけでも、失敗へのハードルは下がります。
私の父は、精密機器の会社を経営していたのですが、会社設立当時の苦労話をよくしてくれました。私はそれがとても好きだったので、私も同じように、過去の話や今取り組んでいる仕事、人間関係についても子どもたちに話すようにしていました。
ポジティブな話だけでなく、困ったこと、悲しかったこと、辛かったこと、失敗したことなどを、愚痴っぽくならないよう、ユーモアを交えながら披露してきました。
このように、大人もたくさん失敗するし、弱い面やネガティブな感情もあるということを普段から話しておくことで、徐々に失敗を怖がらなくなります。
その結果「勇気を出してチャレンジしてみよう」という感情が醸成されるのです。