PB商品を買っても地域にお金は落ちない

例えば、ニトリで1000円のござを買うとしたら、その消費金額の約40パーセントはニトリの店舗、残りの製造原価や諸経費は中国、ベトナム、インドネシアの現地法人に支払われるので、店舗の人件費と家賃を除いて地域への経済効果はほんのわずかです。

ドン・キホーテ、無印良品、カインズ等で購入する安物のPB(プライベート・ブランド)商品も同じく地域への経済効果という意味ではほぼゼロに近いのです。彼らの「国産もあるぞ」という言い訳も、かなり安く買い叩いて低価格を実現させているだけなので、重視する必要はありません。

また、イオンなどの大手スーパーで加工食品、衣料品、生活雑貨を買う時も、海外でしか生産できない品目を除き、日本でも作れる商品と同じ品目が海外産で調達されているなら、それを買う行為も約半分のお金を海外送金しているのと同じです。

原産地、加工地、製造国をチェックする手間を

小島尚貴『脱コスパ病 さらば、自損型輸入』(育鵬社)
小島尚貴『脱コスパ病 さらば、自損型輸入』(育鵬社)

消費者向けに販売されている物品は原産地表示が義務付けられていますから、主婦の方々は日頃の買い物で「ひと手間」を産地確認に当て、①原料の原産地、②完成品の加工地、③工業製品なら製造国に注目し、主原料や加工地が海外の場合は、カゴに入れる前に確かめて「買わない」「減らす」という選択をしていけば、それだけ地産品、国産品に支出する割合が増えていきます。

実際に生鮮、食品、衣料品、雑貨、家具、日用品、消耗品の原産地を確かめていくと、いかに多くの品目が「日本製でないか」を知って、驚くかもしれません。まずは、消費の最前線で「ふるさと経済防衛軍」となる主婦の方々が産地表示に敏感になることが、地域活性化においては最も威力があります。

「地元に対する経済効果がゼロか、低い買い物を避けて、少しずつ自分に近いところにお金が落ちる買い物を増やしていく」。これだけで、地方経済をドカンと押し上げる効果があります。

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