「外産地消」を「地産地消」にすれば日本が潤う

衣食住の品目を中心に、あらゆる分野に自損型輸入商品が氾濫する現代の日本経済は「外産地消」だと言えます。すなわち、「外国で生産したものを地元で消費する」という経済です。

日本人の消費者が支払ったお金が海外に消え去り、国内がどんどん貧しくなっていく悪い経済です。

それを「地産地消」にすれば、地元や国内で生産したモノに地元のお金が消費され、地元や日本のどこかの会社が潤います。私たちが目指すのは、まず、マイナス状態の経済を治療することです。

その先は「地産外消」、すなわち地産品のエリート商品を海外に輸出するのもよいでしょう。

みなさんの地元には、海外市場に歓迎される独自の品目がきっとあるはずですから、地場経済を地産地消で盛り上げたら、次はいくつかの品目の海外展開を図るのもよいかもしれません。輸出については、それこそ私の本業なので、輸入よりも多くの話題があり、何冊か本を書けるほどですが、それはまた別の機会にしましょう。

まず「経済効果が低い商品」を避けよう

最後はおまけで「外産外消」です。つまり、「外国で製造したものを外国で売る」というビジネスで、これはやらなくてもいいですが、考えてみるだけでも面白いビジネスです。例えば、佐賀県の優れた灌漑かんがい技術を乾燥で苦しむウズベキスタンに移転し、そこで灌漑製品を作って、同様に乾燥や水不足に苦しむ周辺国に輸出する、というビジネスです。

地方の中小企業には、こうした形で世界に貢献できる優れた技術がたくさんあります。いずれはこういう可能性も考えながら、まずは地産地消による経済活性化を目指しましょう。

私は健康食品の専属ランナーを務めているくらい、中年にしてはランニングが速いので、よくダイエットや運動習慣の作り方に関する質問を受けます。その際は、「太ることをやめる」、「運動できる体を作る」、「運動習慣を身に付ける」、「数値目標を立てて練習メニューを作る」と段階を分け、「まずはマイナスをゼロにすること」から始めるように呼び掛けています。焦って一度に欲張ってしまうと、けがをしたり余計な苦痛を味わったりして、逆効果を招くこともあるからです。

買い物もこれと同じで、自分のふるさとに確実な経済効果をもたらしたければ、「まずマイナスの買い物をやめる、減らす」という行動が確実で効果的です。

スーパーで買い物をする女性
写真=iStock.com/Hakase_
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