顔を洗う時の注意点

もちろん汚れをしっかり落とすことは、目の健康にとっても重要です。

特にしっかりとお化粧をされる方は要注意です。洗顔するときは目を閉じると思いますが、強く目を閉じたまま洗顔を終えると、目のキワにファンデーションやアイメークの成分が残ってしまうことがあります。

すると化粧品の油分を栄養分として「デモデックス」などのまつ毛ダニが繁殖し、目のキワに炎症を起こした結果、かゆみが出たり、まつ毛が短くなったりすることがわかっているのです。

メークを落とすときは、まず通常のメーク落としで洗顔し、さらに綿棒などで目のキワを優しく拭うようにして、ファンデーションやアイメークをしっかりと落としましょう。目の周り専用のアイシャンプーを使うのもおすすめです。

日ごろしっかりとメークをしている患者さんの中には、アイラインの成分が目の中に入ってしまっているケースも一定数見られます。自覚がないだけで、要は異物が目の充血やかゆみを起こしているわけです。

また、まつ毛の内側の目のキワには「マイボーム腺」という涙の分泌腺があります。そこにアイラインを引いてしまうと分泌腺がふさがれてしまい、涙の分泌が悪くなるため、ドライアイや充血を招きます。

目を「温める」べきか、「冷やす」べきか…

目がかゆいときは目薬を差すか、冷たいタオルなどで目の周りを冷やします。

平松類『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(SBクリエイティブ)
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目薬を使うのなら、市販薬より、眼科処方のアレルギー用(かゆみ止め入り)目薬のほうがいいでしょう。市販の目薬にもアレルギー用をうたっているものがありますが、やはり成分的には処方薬より弱めです。

目を冷やしていいのかと思った人もいるかもしれませんが、これはケース・バイ・ケースです。血流を促進したいときは目を温め、抑制したいときは目を冷やします。

眼精疲労(目の疲れからくる全身症状)やドライアイなどの慢性症状は、血流を促進することで緩和する可能性が高いため、目を温めます。

一方、目のかゆみは何らかの炎症が起こっているというサインですから、血流を一時的に抑制して炎症反応を止めるために、冷やしたほうがいいのです。

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