ペットフードを与えると短命になる可能性
「犬と猫における長寿に関わる要因の疫学的解析」という東京農工大が発表した論文があります。
調査は長寿犬と長寿猫のグループと、5〜9歳で亡くなった犬猫のグループを対象に行われました。
その調査の「食事」の項目に注目してみると、「主にペットフード」を与えている割合は、長寿グループと若くして亡くなったグループでは大差がありませんでした。
しかし、長寿グループは「ペットフードのみ」の割合が低く、「手作り食」の割合が高かったのです。
この調査では、「ペットフードが犬の健康に悪いとは言い切れないが、手作り食のほうがよい」と結論づけています。
「高級ドッグフード」が健康にいいとは限らない
「高級ドッグフード」も飼い主さんの誤解が多いものの1つです。高価なドッグフードがよくて安価なものが悪い、というわけではないのが、ペットフードの難しいところです。
実際、高級ドッグフードを与えているのに、皮膚がボロボロになってしまった、下痢をしてしまったといって、クリニックに来る犬もいます。
フードを安価なものに変えたら元に戻ったという、嘘のような話です。
飼い主さんを責めているわけではありません。高級なフードを食べさせているのは、ペットの体を思う気持ちがあるからこそでしょう。
でもそれが犬の健康を害してしまうことがあるのです。
失うのは健康だけではありません。お金も失います。
飼い主がよかれと思って与えたり、なんとなく使ったりしているものによって、健康を害するだけでなく、お金もなくしていることを「ペット浪費」といいます。
何を隠そう、「ペット浪費」は飼い主さんへの警鐘ワードとして私のクリニック(ペットクリニックZero)が考えた言葉です。
そこには年々犬の診療費が上がっている現実があります。
今のままでは、犬の年齢とともに医療費はどんどん増えていくばかり。
「食」を見直すだけで、ペット浪費を抑えることができると私は確信しています。