外食選び:電車賃が大幅減。1人4000円也

ちょっとした親戚会議をやる、という羽目になった。幹事泣かせのうるさい伯父がいる。場所がわかりにくい、料理がまずい、サービスが悪いと文句を並べるのだ。予算を考えながら伯父を満足させるのが今回のミッションである。

そこで出た答えが東京駅の利用。改札を出ずに“エキナカ”の店で集うことにした。いくつかのメリットがある。鉄道の「上り」の頂点だから場所がわかりやすい。どこへ住んでいようと集散が便利である。そして余計な電車賃がかからない。これが銀座の店で宴、ということになると、下車してタクシーに乗って、と交通費が嵩(かさ)む。駅中ならば、たとえば池袋から横浜へ向かう途中で東京駅に寄っても「池袋-横浜」の運賃しかかからない。

入ったのは新幹線中央乗換口近くの「グッドタイムス チャイナ」。本格中華料理店である。非常に結構でした。料理が美味しい。そして個室を取ったのが正解。評判店らしく込んでいて客がひっきりなしに入ってくる。フロアのテーブルを陣取ったとしても、なんとなく慌ただしい感じがしただろう。個室料金(3000円)を私は払ってもいいと思ったが、どうだろうか。

トイレが店内にあるところもありがたい。地下街の店にありがちな共同トイレは、帰り道で迷うことが結構ある。地方から出てくる親戚ならばわかりにくいだろう。小学生の娘を持つ身としてもありがたい。フロアの混雑ぶりを尻目にトイレから個室に戻るとき、ちょっとした優越感を感じてしまった。

家族も親戚も皆喜んでいたが、ひょっとすると会社の接待などでも使えるのだろうか。会食もなにかと多いであろう、国会議員の秘書から格安接待の秘訣を教えてもらった。

「とにかく個室であること。次に料理が高級そうに見えること。その中で激安の店を探すのです。人は高級そうに見えれば、味がまずくとも主催者に文句は言わないものです」

(撮影=小原孝博)