Googleマップで「接客に難あり」と辛口コメントをつける人には、どんな共通点があるのか。飲食店プロデューサーの稲田俊輔さんは「警戒心が強いので、『自分は歓迎されていないのではないか』という不安から、ありもしない悪意を受け取ってしまうのではないか」という――。(第1回)

※本稿は、稲田俊輔『お客さん物語 飲食店の舞台裏と料理人の本音』(新潮社)の一部を再編集したものです。

スマートフォンを操作する男性
写真=iStock.com/puwadol
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レビューサイトに辛口コメントを投稿する人の正体

グーグルマップなんかで飲食店レビューを眺めていると、「接客に難あり」みたいなことが書かれている店がちょいちょいあります。しかしそういう店に実際行ってみると、気になるようなことは何もなかった、なんてのもよくあること。

逆に、接客に対して不満を表明している人のレビューを辿ってみると、他のいろんなお店でも接客のまずさを指摘しているケースもまたよくあります。概ね接客に対する不満は、無愛想、つっけんどん、といった語句で表現されています。

こういったお客さんは常に一定数存在しますが、僕はこういう人々を、ある種の「心配性」であると解釈しています。常に警戒心を緩めない、いや、緩めることができない人々です。

どこに行っても、「自分は歓迎されていないのではないか」「ないがしろにされているのではないか」「それによって不利益を被るのではないか」と不安になってしまう。そうなると、暗い夜道で恐怖心に苛まれたら何もかもが幽霊や物の怪に見えてしまうのと同じで、お店の人の態度からついつい有りもしない悪意まで読み取ってしまう。