優秀な人材を育てるにはどうすればいいのか。易経研究家の小椋浩一さんは「中国の古典『易経』には人材育成に関して学ぶところが多くある。WBC日本代表を率いた栗山英樹監督は『易経』を愛読しており、大谷翔平選手の育成にも大きな影響を与えている」という――。

※本稿は、小椋浩一『人を導く最強の教え「易経」 「人生の問題」が解決する64の法則』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

エンゼルスタジアムの正面玄関
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大谷翔平の活躍を支えた栗山英樹監督の環境づくり

プロ野球日本ハムファイターズを率いて日本一を、侍ジャパン日本代表で世界一を成し遂げた栗山英樹監督も、『易経』に学ぶお一人です。著書『栗山ノート』(光文社)には、「坤為地」「山天大畜」「坎為水」「水沢節」「乾為天」「雷天大壮」など多くの引用があります。

栗山監督は現役時代、メニエール病や故障に苦しみ、29歳の若さで引退されるなど苦労をされました。そうした生きるうえでの大きな悩みを克服すべく、『易経』に学びを求められたようです。その後はそういった教養も活かし、TVのキャスターから大学教授まで多方面で活躍され、50歳で日本ハムの監督に抜擢されました。

栗山監督の業績の一つとして、今や世界一の選手と称される大谷翔平選手を育てたことが知られています。大谷選手のすごさはやはり“二刀流”で、打者だけでなく投手としても超一流であるところです。世界最高峰のアメリカ大リーグで最高の選手に贈られるMVPを獲得するなど、その並外れた活躍には、栗山監督による育成の環境づくりが大きく寄与しました。