政府は「ガソリン補助金」を継続する方針だが…

③ 燃料油価格激変緩和補助金の変動

2022年1月から政府の補助金がはじまりましたが、漸次削減され、最大41円だった価格抑制効果が現在は13円となっています。

【図表4】燃料油価格激変緩和補助金抑制効果
燃料油価格激変緩和補助金抑制効果(出典=資源エネルギー庁ホームページ)

上記の内、③の補助金については、政府からことし9月末までという期限を延長する方針が出されており、一定程度の価格抑制が見込まれます。一方で①と②は短期間で解消する見通しはなく、そのため、ガソリン価格の水準が大きく下がることは期待できません。岸田文雄首相はレギュラーガソリンを175円/L程度に抑える考えですが、それでも高いと感じる方は多いでしょう。

ガソリン最安県と最高県は13円も差がある

お得な給油① GSの立地や形態による価格差を知る

そもそもガソリンは石油会社と契約を結んだ特約店が運営をしています。そのためコンビニのようなフランチャイズ店舗が全国一律の価格で販売することはありません(独占禁止法上、販売価格を石油会社が指定することはできない)。結果、ガソリンは下記のようにGSの立地や運営形態により価格差が生じています。

【湾岸エリアvs内陸エリア】

ガソリンは湾岸部にある製油所にて精製され、その後内陸部へ輸送されます。そのため、製油所が近くにあるかないかによっても価格は変動し、輸送コストが安い湾岸沿いにある県ではガソリンは安くなり、輸送コストのかかわる内陸部では高くなる傾向があります。

図表5の都道府県別ガソリン価格ランキングを見ると、最も高い長野県(194.0円)と最も安い岩手県(180.9円)とでは約13円も差があります。

【図表5】都道府県別ガソリン価格ランキング
都道府県別ガソリン価格ランキング

【競争の厳しい都会vs競争のない地方】

GSは規制緩和の影響で価格競争を続けています。そのため、同じ県内でも競争のあるエリアと競争のないエリアでは価格差が生じています。GSが密集し、競争の厳しい都市部(主要幹線道路沿い等)では価格が安くなり、競争のない地方(山間部)では価格が高くなる傾向があります。