「使いものにならない防弾ベスト」で着服
さらに、政権幹部によると、税関の全管理職が解任され、国防省高官も疑惑の対象となっているという。
この国防省の調達担当責任者は、使いものにならない防弾ベストを購入して、調達費を着服したという。
また、税務当局のナンバー2も捜査対象であり、450億フリブナ(約1500億円)の脱税を見逃す見返りに、多額の現金、高級時計、車などの賄賂を受けたという。
ゼレンスキー政権が汚職の捜査に躍起になったのは、2日後の2月3日にEUとの首脳会議が行われる予定だったからである。
ウクライナは、2022年6月にEU加盟候補の資格を得たが、EUからは汚職対策の強化を求められていた。
EU加盟の可能性について協議されても、汚職が蔓延している国はEUに加盟できないことになっており、今のウクライナは失格である。
そこで、ゼレンスキー政権としては、汚職追放に努力しているところを見せたかったのである。
ウクライナ利権に絡むバイデン大統領の息子
オバマ政権のときにバイデンは副大統領であったが、息子のハンターとともにウクライナ利権に深く関わっていたのではないかと疑われている。
ハンターは、2014年にウクライナのガス企業ブリスマの幹部に就任したが、この企業は検察の捜査を回避するために裏金を使ったという不正疑惑が明らかになっている。
2020年9月、米議会上院は、この件について「利益相反の疑いがある」という報告書をまとめており、中間選挙後の下院は共和党が多数派となったので、この件が蒸し返される可能性がある。