YOASOBIの楽曲が世界的にヒットしている。何がそんなにすごいのか。ビジネスプロデューサーの山川隆義さんは「もっとも斬新なのは小説が歌詞のもとになっているところだ。自分で楽曲をつくるアーティストの多くはネタ切れに苦しむが、YOASOBIのやり方は元ネタが無限にある」という――。
※本稿は、山川隆義『瞬考 メカニズムを捉え、仮説を一瞬ではじき出す』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
物事の背景を理解していなければ解決方法にはたどり着けない
海に浮かぶ氷山の一角を想像してほしい。
海面から突き出ている表層だけを見ても、氷山の全体像を正確に捉えていることにはならないことは明白である。
海面の下にも氷山は形を成している。また気候、海水の温度や海流などの「背景」が影響して、氷山の一角という「事象」を作り出している。
氷山の一角だけを見ていても、「氷山の正確な形」や「なぜそのような形になったのか」はわからないが、気候、海水の温度や海流などの「背景」もきちんと押さえれば、全体像を紐解くヒントになる。
ビジネスでも同様で、背景に「なぜそうなったのか」というメカニズムが隠されており、それを見つけることができれば、課題の原因に対処して、打ち手を講じることができる。
コンサルティングでも「なぜこのプロジェクトをするのか」という背景について、プロジェクトオーナーに徹底的にヒアリングするようにしている。
氷山の一角にもそれを形成した背景があるように、会社で直面する問題にも背景が存在する。その背景を解像度高く掴むことができれば、課題が生まれた原因や経緯がわかるので、目的が決まり、プロジェクトの方向性がはっきりする。
コンサルティングでやるべきことが一気に明確になるのだ。