学生ランナーの意見を無視しての強行決議

第100回記念大会で連合チームは結成されない。同90回記念大会も選抜チームの出場はなかったため、今回も出番がなくても仕方ない部分はあっただろう。だが、そこまでのプロセスが良くなかったようだ。

関東学連は昨年4月19日の段階で連合チームを編成しない案を加盟校へ提出した。それを受けて東京大学の学生は同26日、連合チーム編成可否の最終決定の時期を問うメールを関東学連へ送信。しかし、学連側からの返答が得られないまま同6月30日の代表委員総会で連合チームの編成可否が採決され、「関東学生連合チームは編成しない」と発表された。

今年4月に入り、東大や東京工業大学を中心とした8つの大学は、その決定を覆すためのプロジェクトチームを結成。5月17日までにオンライン署名で関東学連規約の臨時総会の開催条件にあたる「代表委員(加盟校の代表者)の3分の1以上」の賛同票を獲得するも、関東学連から加盟校の直筆の署名と押印をした書類を再提出するように指示を受けたという。

そのような状況にもかかわらず、関東学連は6月28日の代表委員総会当日の午前、加盟校に対し、10月14日の箱根駅伝予選会の要項を送付。午後の総会を経て、第100回大会で連合チームが編成されないことを公式ホームページ上で発表したのだ。

今回の発表に至ったことに違和感を覚えたプロジェクトチームはその後も署名活動を続け、7月20日に臨時総会開催の要望書を再提出している。プロジェクトチームが不満をもらす理由は以下の通りだ。

関東学連の規約では代表委員総会が開催される2週間前までに会議の議事内容を通達する必要があると明記されているが、会議の議事内容を示した資料は前日や当日の朝にしか送付されなかったという。そのため、連合チームの編成可否を巡る議論の場が十分に設けられなかった。

また承認/不承認の票数が議事録に明記されておらず、具体的な数字が不透明。さらに連合チームを編成しない案は強豪校の監督らが務める駅伝対策委員会で話し合われたため、草案時に学生の意見は反映されなかった。

要するに、箱根駅伝の“主役”といえる現役学生ランナーの“意見”がほとんど届いていないのだ。