しかし、親御さん自身はいかがでしょうか。子どもは身近な大人である親をモデルにしながら、いろいろなことを学んでいきます。子どもに勉強してほしかったら、親も勉強している姿を見せることが一番と感じます。

子どもを動かすのは、「勉強しなさい!」「宿題しなさい!」と一方的に指示する言葉ではなく、「一緒にやろう」のひと声です。

子どもが気の進まないことや苦手なことをするには、親も「一緒にやること」が解決策になると思います。子どもは親に見守ってもらうことで、苦手なことでも行動に移しやすくなります。

授業についていくのが難しいというお子さんにお勧めの教材は、手前味噌ですが「コグトレ」を試してみてもいいと思います。遊び感覚で取り組めます。ただそれも子どもだけにやらせるのではなく、ぜひ、お母さん、お父さんが、お子さんと一緒に、コグトレから取り組んでみてはいかがでしょうか。

「宿題はやったの?」は無意味

子どもの「伴走者」になりたいとは思っていても、「うちの子は『宿題を今やろうとしていた』なんて言って、なかなかやらないんです。だから、私が強く言わないと」という親御さんもいるかもしれません。子どもについ言いたくなる気持ちもわかりますが、常に「やりなさい!」と言い続けることで、子どもが自ら行動するチャンスを奪っていることもあるのです。

 ゲームをしながら心の中で『そろそろ、宿題をやろうかな』
「まだゲームしてるの? 宿題はやったの?」
「今やろうとしてたんだよ」
「本当に? 早くやりなさいよ」
「ちゃんとやるからさ、ほっといて!」

もしも、子どもが本当に「今やろうとしていた」のであれば、「宿題はやったの?」のひと言は、子どもの出鼻をくじくことになります。やる気を削がれた子どもは、「もうほっといて!」と言い返すことになります。そこでもし、親に言われるままに宿題をやってしまうと、単に親の指示に従っただけという結果になってしまうからです。

一方、親からしてみると、「宿題はやったの?」と聞いて、それでもし子どもがたまたま宿題を始めると、「やっぱり、私から声かけしたほうがいいんだ」「言わないとやらないんだから」と、自分の声かけに効果があると誤解してしまいます。そうなると、その後も「宿題はやったの?」「早くやりなさい」と言い続けることになります。

しかし、子どもにやる気がないときは何を言ってもやりません。すると、親は「もっと強く言わないとダメなのか……」と勘違いして、より強く「宿題はしたの⁉」「早くやりなさいよ!」と叱り続けることになります。