「ダメージコントロール」でパフォーマンスの低下を防ぐ
子育て戦場で、どのようにして「ママがうつになる」事態を避けていくか。
あなたの心の中の「クールな指揮官」には、「ダメージコントロール」という自衛隊式思考を、ぜひ身につけてもらいましょう。
「ダメージコントロール」とは、ダメージを受けたときに、被害を最小限にするためにどうするか、あらかじめ行動を考えておくというものです。
たとえば隊員たちが戦場におもむくとき、本人たちは当然、行く先が楽園だとは思っていません。
けれども、心のどこかで漠然と、
「これくらいは、まあ自分にもできるはず……」
という、うっすらとした期待感(楽観)を、だれしもが持っているものです。
ところが実際の戦場では、手持ちの弾薬がなくなったり、予想以上に寒い冬が来たり、さまざまな想定外のことが起きてくる。パフォーマンスが上がらなくなる事態に見舞われます。そういうときに、なまじ期待感を持ってしまっていたために、「もうダメだ!」と、何もかも投げ出してしまう人が出てくるんです。こうなると戦いには負けてしまいます。
そこで、パフォーマンスの低下を防ぐために、組織では「ダメージコントロール」という戦略を持つのです。
「プランA」「プランB」「プランX」を準備しておく
「ダメージコントロール」をイメージするにあたって、「階段」を思い浮かべてみてください。自衛隊では、よく「ラダー」と言います。
通常より状況が悪くなったら「プランA」。
さらに状況が悪化したら「プランB」。
危機的状況に陥ったら「プランX」。
このように階段状のイメージで「対策行動」を決めておきます。
こうしておくと、なんらかの要因で調子が落ちても、「1段ラダーが落ちた」と考え、次の行動プランにスムーズに移行できます。
パフォーマンスが少し落ちただけで、すっかり悲観してしまい、「もう何もかもおしまいだ!」などと、すべてを投げ出してしまうという事態を防げるんです。