垣間見える男女不平等社会への不満

正妻が優等生ならば側室はどうなるかっつうと、これまたみんなキャラが立っていて。

勇ましく慎ましく働き者の女中・お葉(北香那)は側室に選ばれたものの、出産後に同性愛者であることを告白。手討ち覚悟で「営みの苦しみ」を吐露。その潔さと功績でお咎めなしとなったが、生きづらさゆえの覚悟を象徴していた。

そもそもは築山殿の女中だったが、家康のお風呂ガールとなって、ちゃっかり妊娠したお万(松井玲奈)もなかなかのオナゴだった。殿をたぶらかしたことを反省している風味の小芝居を打ち、寛容で慧眼の築山殿に許される。ただ、その行動の根底には男女不平等社会への呪詛じゅそがあり、戦ばかりする男どもへの怒りを含んでいた。平和を求める民の肉声であり、女を武器にすることを恥じない強さとしたたかさを見せてくれた。

そして現段階で最も天然なのが於愛の方(広瀬アリス)だ。目が悪く、間違えて家康の尻をぶっ叩いたり、笛が得意と言いながらも超絶下手すぎて笑わせてくれる、陽気でコミカルなキャラだ。家康の後家好き遍歴の始祖かなと思わせる。

今後登場する側室も楽しみだし、ふたりめの正室となる豊臣秀吉(ムロツヨシ)の妹・旭(山田真歩)のキャラにも注目したいところである。

松本まりかのあるセリフ

個人的には、忍の二代目大鼠(松本まりか)の生きざまも気になっている。亡くなった父(千葉哲也)の跡を継いだ手練れのくノ一。ところが、忍集団のリーダー・服部半蔵(山田孝之)が微妙にアイデンティティ迷子状態で、忍の自覚をもたず、しかも滅法弱くてヘタレなのだ。

こっちはこっちで「どうする半蔵」である。大鼠は諜報ちょうほう活動も戦闘能力も超一流、八面六臂ろっぴの活躍なのだが、ふがいない弱気なリーダーが仕事をとってこない限り、おまんま食い上げ状態。

のんきに「おなごの幸せは男に可愛がってもらうこと」などと抜かして花を摘んできた半蔵に、「殺すぞ」と吐き捨てて、その花を食いちぎったシーンがもう大好きすぎて。

うわついた男に塩対応、忍び働きが生きがいのくノ一、たくましくて頼もしい限りである。