直感的に使えてしまうがゆえに大半の人は習熟しない

私は誰かにExcelの使い方を教わったわけではありません。そんな私でも、直感的に使えて、必要な表やグラフは作成できていました。しかし、ここに落とし穴がありました。

Excel医『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)
Excel医『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)

今のご時世、UI(ユーザーインターフェイス)が非常に優れたものであふれています。

「UIってなに?」

たとえば、iPhoneは説明書を読まなくても直感で操作できますよね。それはiPhoneのUIが非常に優れているからです。ですが、iPhoneはなんとなく使えているけど、機能を十分に使えているとは言えないのではないでしょうか。

Excelも同じです。Excelというソフトは、直感的に使えてしまうのです。なので、ちゃんと勉強しようとは思いません。

ちゃんと勉強しないゆえに「Excelができる人なら5分でできる集計作業を、Excel初心者は5時間かけてやる」って、本当にあります。

私がそうでしたから。

Excelには、知っているだけで効率的になるコツがたくさんあります。逆に言うと、Excelを勉強しないと、効率が悪いままなのです。

「書式」と「表示形式」の違いを理解しているか

「書式」と「表示形式」の違いって理解していますか?

私はよくわかっていませんでした。

[初心者の場合]
・「1000」を太字・赤字で「1000」にすることを「書式を変える」。←正解。
・「1000」を手入力で「1,000円」にする、つまり「,(カンマ)」と「円」を入力することを「表示形式を変える」。←不正解、惜しい。

こんな感じの理解でした。

手入力した「1,000円」は文字列です。文字列は計算できない値です。

【図表1】「書式」と「表示形式」

「書式」は文字や表の見せ方を設定するもので、フォントや太字、文字色、背景色、罫線けいせんなどです。

【図表2】書式

一方「表示形式」は、セルの値の見せ方を設定するもので、数値、文字列、パーセント、通貨表示、指数表示、カンマをつける、末尾に“様”をつける、などです。

【図表3】表示形式

なんとなく理解できたでしょうか。

大事なことは、「書式」や「表示形式」を変えても、セルに入っている値自体は変わっていない、ということです。上記の例の場合、見え方は変わっても、セルの値「1000」という数値は変わりません。これは理解しておいてください。