オンライン書店では『スラムダンク』が売れに売れている
オンライン書店最大手の「イエス24」上半期統計でも同じく、日本の書籍ブームが見てとれる。劇場版アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』の公開に助けられて、原作漫画の『スラムダンク』単行本が大きな人気を集めた。イエス24の今年上半期ベストセラー50位の中には新装再編版『スラムダンク』が計20点も含まれている。
ほかにも『今夜、世界からこの恋が消えても』は今年上半期の小説/詩/戯曲分野で5位を、『西由比ヶ浜駅の神様』は7位を記録した。海外旅行分野の図書全体販売量の中で日本旅行書の比重が約30%で1位を占め、旅行日本語および会話・日本語入門書販売も昨年上半期に比べて約70.9%も増加したという分析が出た。イエス24側は「今年上半期の書籍市場の主要イシューのひとつは、なんといってもJ-コンテンツの人気」と分析している。
ノージャパン以前は出版市場の20%を日本の書籍が占めていた
もともと韓国の出版界では日本の書籍の需要が高く、2014年に韓国で発行された本は3冊のうち1冊が日本の書籍だったという統計も存在している。ところが、2019年からのノージャパン運動により変化を余儀なくされた。筆者の知人の出版関係者は次のように説明する。
「かつて韓国の出版市場では日本の書籍が占める比重が常に約20%を超えるほど絶対的だったが、ノージャパン運動により出版界でも細心の注意を払うようになったことで、2020〜2022年には比重が7〜8%まで下がった。ところがここにきて日本のアニメが人気を集め、同時にマンガや小説を中心に書籍も回復してきたというわけだ」
ノージャパン運動の暗黒期がようやく過ぎた今、日本の書籍の人気は当面続きそうだ。