ネットカフェやスーパー銭湯も基本的にはNG
防大生は、原則として平日に外出できず、外出できるのは週末の土日だけです。
規則が多くストレスフルな生活をしている防大生は、「外出」と聞くと「さんぽ」と言われた犬のように飛び跳ね、しっぽをちぎれんばかりに振って喜びを表現します。しかし、その休日も訓練や校友会の練習や試合で潰れることが多く、数週間にわたってまったく休みがないことも珍しくありません。
基本的に防大生活は「休みがあればラッキー」という感覚であり、卒業後のほうがしっかり休めるという意見さえあります。
さらに、1学年のときは外出時の制服着用が義務であり、外泊も許可されません。制服着用のときは、「電車の椅子に座らない」などのルールがあり、外出時も常に周りの視線があるので、気が休まることが正直ありません(防大の制服で駅を歩くと駅員と間違えられることが多いです)。また、1学年は成人していても「酒・タバコ」は厳禁です。ネットカフェやスーパー銭湯なども、制服や身分証を紛失する可能性があるため、基本的にはNGとされています。
こうなると、1学年は「食べること」に全力を尽くすようになります。ケンタッキーを食べた後に家系ラーメンを食べ、その後にパンケーキを食べて、お土産に焼き鳥を買って食べる、といった乱れた食生活で快楽を得るぐらいしかできません。
特に厳しい訓練や行事の前の休日には、「最後の晩餐」が寿司屋や焼肉屋で開かれ、暗い顔をして食事をしている1学年の姿を見ることができます。
私服着用がバレたら、同期全員が外出禁止
ちなみに、こっそり私服を着用しているところがバレると、「服務規律違反」で同期全員が外出禁止になり、上級生からも濃厚なご指導をいただきます。ここならバレないだろうと思っていても、上級生は私服の1学年を見つけるのが得意なため、渋谷や新宿のホームで御用となるのです。
そのうえ、雑用の多い1学年は休日でさえ休めないことも多いです。清掃点検の前は1日中清掃で潰れ、日曜日の夜には「理想の学生になるためには」や「来週の目標決定」などの不毛なミーティングが行われるため、19:00前には防大に帰る必要があります。
特に用事がなくても、1学年には「しつけ点呼」と呼ばれる「点呼の前の点呼(点呼の1時間前に行う)」などもあり、心を休めることがほとんどできません。
平日は厳しい生活、休日もあまり休まらないことから、1学年は「幸せレベル※が底辺まで落ちる」とよく言われています。こうなると少しのことで喜び、感動するようになります(小さなチョコを1つ食べるだけで脳が痺れるようなイメージです)。