Q 国際系中学に入れば、英語力は本当に伸びるの?

【北】そもそも明治初期に、フェリス女学院などのミッションスクールが来日したのが私立中学のルーツのひとつ。今も日本の私立の約30%がミッションスクールで、もともと英語とキリスト教、民主主義を伝える教育だったわけです。どこの私立も、英語の授業数など明らかに多いですし、そういう意味では、私立はどこも英語教育に力を入れているといえますね。

【後藤】広尾学園や三田国際学園をはじめ、共学化した私立が新しい教育を取り入れ、人気を得ている流れもありますね。どの学校のサイトを見ても、そのほとんどで“グローバル”がうたわれているので、受験校を選ぶにあたりきちんと情報収集する必要はあるでしょうね。

【矢野】私立は帰国生入試も多く、周囲にネイティブ並みの友達がいるという環境は、子供の英語力に大きな刺激を与えると思います。

Q 学校選びのコツは?

【矢野】①親御さんが6年後わが子にどうなっていてほしいのか、②その学校は6年間を通して子供をどう育てていこうとしているのか、そこがマッチングしているかの確認が一番大事かと思います。例えば、英語力を底上げしたいのか、海外大学に進学したいのか。それだけでも学校選びや進路選択は大きく変わるでしょう。

【北】見比べるなら、カリキュラムや大学進学実績などよりも、どういう環境でわが子が学ぶことになるのかを確かめたほうがいいと思います。帰国生が多い、英語の取り出し授業がある、アクティブラーニングを実際に取り入れている、良い教師がいるなど。例えば、かえつ有明は、ネイティブの先生の評判が良いことで人気を集めました。

『プレジデントFamily2023夏号』(プレジデント社)
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【後藤】説明会などに行って、先生に質問するのはマストかと思います。例えばわが子が中学入学前に英検準2級を持っている場合、この先の6年間でそれをちゃんと活かせる環境があるのかなど。また小学校で英語の授業が始まったことで、かえって以前よりも英語嫌いの子供が増えているという話も聞きます。英語が嫌いでも大丈夫なのか。大丈夫と言われたら、なぜ大丈夫なのか、理由をなるべく具体的に聞けると安心かと思います。入学時からある程度の英語力を必須とするようなインターナショナルコースを除いて、基本的に英語初心者で大丈夫なはずです。

【北】例えばIB(国際バカロレア)プログラムを導入する開智日本橋学園は、「英語ができる子も歓迎ですが、英語がゼロスタートの子でも大丈夫です!」と説明会ではっきり言っています。ニューウエーブ校ではありませんが、伝統校の八雲学園なども、ゼロスタートで生徒全体の英語力を底上げしてくれる学校です。男子校・巣鴨もかつての硬教育、努力型教育の伝統は残しつつ、ここ数年で急速にグローバル教育に注力しています。

【後藤】入学時の偏差値によらず、ハマった子は中高の6年間でどんどん伸びていくのが英語の魅力であり可能性ですよね。