勉強時間内に何ができたかが重要

学習時間の確保が重要なことは言うまでもありません、ある程度の英語力を身につけたいのなら、できる限り多くの時間を捻出するのは当然です。

ですが、勉強時間を確保すること以上に大切なのは、やるべきことをその時間内でしっかりと学び終えることができたかどうかです。

かんたんに言い換えるならば、あらかじめ設定したノルマ(勉強量)を達成することができたかどうか、ということです。

仮に、1日3時間の勉強時間を確保できているAさんと、1日1時間しか学習時間を確保できていないBさんがいるとします。

一見、AさんはBさんの3倍の勉強時間を確保できているので、Aさんのほうがより早く力がついていくように思えるかもしれません。ところが、Aさんが3時間で単語を10個しか覚えることができず、一方でBさんが1時間で単語を100個覚えることができたとすると、BさんはAさんの3分の1の勉強時間で、Aさんの10倍のことをマスターすることができている、ということになります。

つまり、勉強時間を確保すること以上に、勉強時間内に何ができたかのほうがより重要なのです。

「今日は3時間勉強できたからよかった」と満足するのではなく、「(今日は1時間しか勉強をできていないけれども)100個の単語を完璧に覚えることができた」ということに満足すべきなのです。

大切なのは「学習時間の長さ」よりも「ノルマの達成」

Oxford University Press(オックスフォード大学出版局)が出している『A Teacher’s Guide to TOEIC Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』という論文があります。この6ページ目では、TOEIC L&Rテストの目標スコア達成と勉強時間の相関関係を示す表が示されています。

この表によると、たとえば現在のスコアが550点の人が650点に到達するためには、勉強時間が平均で225時間必要、ということのようです。

しかし、これはあくまでも目安だと考えるべきです。

たとえ毎日3時間、勉強時間を確保できたとしても、その3時間で10個しか単語を覚えられないような勉強をしていては、短期間でよい結果を出すことが難しいということです。当たり前ですよね。

そもそも、この論文が作成されたのは1985年です。

ネット上ではいまだにこの研究結果を論拠としている話をよく見かけますが、当時はSNSもアプリもなかった時代ですし、英語を勉強する方法は日々進化しているので、参考程度にしておくべきでしょう。

繰り返しますが、大切なのは「学習時間の長さ」よりも、日々の「ノルマの達成」なのです。