眠りの質を高めるにはどうすればいいか。漢方家の櫻井大典さんは「日中に緊張していた体を“ゆるめる”と気持ちもゆるみ寝つきやすくなる。鼻から空気をたっぷり吸い、ゆっくり息を吐きながら『あ゛~~っ』と声を出すことが効果的だ」という――。

※本稿は、櫻井大典『病気にならない食う寝る養生 予約の取れない漢方家が教える』(学研プラス)の一部を再編集したものです。

呼吸を整える女性
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頭脳労働なら体を動かす、肉体労働なら頭を使うが安眠のコツ

質のいい睡眠のためには、昼間の活動で体と頭がバランスよく使われていることが大切です。体と頭がどちらもほどよく疲れていれば、寝つきがよくなり、ぐっすり深く眠れます。

お仕事が頭脳労働の方は体を動かす、肉体労働がメインの方は逆に頭を使うことを意識的にやってみましょう。特に現代の頭脳労働の人は、ほぼ1日中座ってパソコンやスマホに向かっています。動かしているのは頭と目と口だけ。手先以外はほとんど体を動かしません。

やはりそれではバランスが偏りすぎています。仕事の合間に、屈伸でも、肩を回すでも、ラジオ体操でもよいので、ちょっと体を動かしてみましょう。

帰り道にいつもより10分だけ長く、ひと駅分だけでも歩いてみる。その時に、公園など木や草のある場所に寄って、自然の空気に触れるのもいいと思います。肉体労働の方は体が疲労しているので、パタッと眠れることも多いと思います。

ですが、脳が疲れていないせいで、頭が冴えてしまって眠れない、寝ても眠りが浅いということが起こりやすくなります。

その場合には、寝る1時間くらい前までに、本を読んでみる、漢字ドリルをやってみる、流行りの謎解きゲームをやってみるなどで、ちょっと頭を疲れさせるといいですよ。