知能を高くキープするためには好奇心旺盛であれ

石山恒貴『定年前と定年後の働き方 サードエイジを生きる思考』(光文社新書)
石山恒貴『定年前と定年後の働き方 サードエイジを生きる思考』(光文社新書)

他方、30.3%の人が「自分のキャリアと向き合う機会になった」、同じく30.3%の人が「プレッシャーがなくなり、気持ちが楽になった」、20.7%の人が「マネジメントから解放され、いままで取り組めなかったことをやる気になった」と回答している。つまり同じ役職定年であっても人の受け取り方は様々であり、そこには個人差も大きいと考えられる。

このようにシニアの働き方と幸福感については、個人の違いを見ていくことが重要だろう。実は、高尾真紀子氏と筆者の幸福感に関する共同調査では、好奇心と自身のキャリアへの関心を持つことが、幸福感を高めていた。これは西田裕紀子が、加齢に伴い知能を高く維持する要因として「経験への開放性」をあげていたことと一致する。経験への開放性とは、好奇心旺盛であることだからだ。

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