最初に取り組むべきはメール処理の効率化です。ここでぜひ勧めたいのが、テンプレートを利用すること。手紙を書くときに文例集を参考にするように、自分が多用するメールの文面があれば、それをテンプレートとして保存しておき、場面に応じて修正を加えて使うのです。基本のテンプレートを見直すことによって急いでいるときでも用件の漏れを防ぐことができますし、メールの処理時間を短縮することができます。

自分が受け取ったメールで「これは」と思うものがあれば、積極的にまねていくのもおすすめです。とくにお詫びのメールは難しいので、自分が受け手として納得のいくお詫びをしてもらったと思うメールがあれば、それを参考にするのも一つの方法です。

ただし、お詫びには軽いお詫びと重いお詫びがあるので、状況を慎重に判断してその軽重に合わせた内容にアレンジすることが大切です。そこが「頭の良いメール」と「KYメール」との分かれ目になります。

次に、メールのやりとりの回数を減らして効率化を図ることを考えてみます。アポイントの日時を決めるメールを例に取れば、「○月○日中でご都合をお聞かせ願います」ではなく、「○月○日(月)の10時ではいかがでしょうか」と、日時を点で指定して相手の都合を確認する文面にすれば、決定が早くなります。

ただし初めてコンタクトをとる相手の場合は例外で、いきなり日時を点で指定するのでは失礼な印象を与えかねません。メールでは、常に相手との距離感や相手が置かれている状況を意識し、それに沿った文面にすることが重要なのです。

また、相手に何かを尋ねるメールでは、聞きたいことを整理して相手が答えやすくすることも大切です。返事を急ぐときはとくに、イエス・ノーで答えられる質問にすることです。自由記述式の答えを求める場合も、「~のサイトについてアドバイスをお願いします」といった大づかみな質問よりは、「サイトの色づかいについて意見をください」や、「文字の見やすさについてアドバイス願います」とポイントを絞りこんだ質問のほうが、相手も返事をしやすくなります。

長文で趣旨のはっきりしないメールを自分のほうが受け取ってしまった場合は、一度「お聞きになりたいのは○○と○○ですよね?」と相手のメールの内容を整理して確認すると、そのあとのやりとりがスムーズになります。

(構成=石田純子)