つらい経験も「一つのステップ」
最初の妻の気持ちが冷めなかったら、ハドソンの単身者用アパートに引っ越すことはなかった。廊下の先に住むリタという女の子と知り合うこともなかったし、その子の友達のレスリーと恋に落ちることも絶対になかった。そして1年後にレスリーのところに転がり込んで、その1年後にプロポーズすることもなかっただろう。
レスリーと結婚することもなかった。
そしてレスリーが「ハドソン」と名づける息子の父親になることも絶対になかった。
当時はわかっていなかったけれど、僕は過去を吸収し、それが僕の未来をつくった。
しかも、これは僕にだけ起こったことではない。
僕らみんなに起こっていることだ。
あなたにも。僕にも。僕らみんなに。
倒れそうになったとき、ストーリーに続きを書き足せば、前に進み続けられる。次に、スポットライトをずらせば、自分を責めずにいられる。それから、最後に試してみてほしい。今起きていることは、「一つのステップ」だと考えてほしいのだ。