アメリカをはじめ世界中で拡大する「F1人気」
アメリカでは伝統的にインディーカーの人気のほうが高く、2008年から2011年までは1戦も開催されていなかった。
だが、昨年から始まったマイアミGPではNFLのマイアミ・ドルフィンズのスタジアムを取り囲むコース、今年から開催されるラスベガスGPでは、なんとF1マシンがラスベガスの目抜き通りであるストリップを疾走するという、アメリカらしいエンターテインメント性に富んだコース設定になっている。
現在では、世界中どこのレースも超満員で、チケット入手が困難なくらいの人気ぶりである。昨年3年ぶりに開催された日本GPもチケットは完売だった。
米リバティメディアによるFOM買収が転機
アメリカを中心にF1人気が一気に高まった理由は何か。
競技としてのF1を統括しているのは国際自動車連盟(FIA)だが、興業としてのF1は長年フォーミュラ・ワン・マネージメント(FOM)という組織が担っていた。そのFOMを2016年にアメリカのリバティメディアという会社が買収したのである。
リバティメディアは各種メディアやエンターテインメント会社のほか大リーグのアトランタ・ブレーブスも所有する会社である。
リバティメディアはアメリカのエンターテインメントを担う会社だけあって、F1の人気を高めるためのさまざまな施策を打ち出した。その中の一つがNetflixで見ることができる「Drive to Survive」(日本でのタイトルは「栄光のグランプリ」)というシリーズである。