代替エネルギーを学んだ大学時代

シバセ工業のトップは3代目社長の磯田だ。もともとは日本電産(現・ニデック)の技術者としてキャリアをスタートし、入社15年目の1999年に退社してシバセ工業へ転身、2005年に社長に就任した。親戚の中から後継者を探していた2代目から「社長をやってくれないか」と声を掛けられたのだ。

早くから環境問題に関心を寄せていた。自宅の屋根には20年前から太陽光パネルを設置しているし、愛車も過去15年間にわたって一貫してハイブリッド車のトヨタ・プリウスにしている。

本社会議室でインタビューに現れた磯田はにこやかで控えめ。常に現場に顔を出しているからだろうか、技術者らしく作業服を着ている。1983年卒業の大分大学工学部時代から環境問題に関心を持っていたという。

作業着姿の磯田社長
撮影=プレジデントオンライン編集部
作業着姿の磯田社長

「当時は石油ショックを契機に生まれたサンシャイン計画(新エネルギー技術開発計画)が話題になっていました。そんなときに大分大工学部のエネルギー工学科に入ったんです。代替エネルギーについていろいろ学びました。太陽光発電はまだなかったですけれどもね」

「プラスチックは偉大な発明品」

卒業後、京都の中小企業だった日本電産に入社。同社も「ISO14001」の認証取得に取り組んでいたことから、環境問題を意識しながら働く環境に置かれた。太陽光発電システムの中核を担う「パワーコンディショナー(パワコン)」の開発に絡むこともあったという。

どんなに環境経営を意識していても、プラスチック製品の生産を本業にしている限りはSDGs(持続可能な開発目標)を達成できないのではないか。こんな疑問をぶつけられると、磯田は具体的な数字を挙げながら理路整然と反論する。

「海に流れ出たプラスチックのうちストローの割合は極めて小さい」「プラスチックは偉大な発明品であり分解されずに品質を保てる」「自然界で分解しない以上は、正しく焼却処分(熱破壊)していれば、海ゴミ問題は少なくなる」「焼却炉の改善により、プラスチックを焼却したとしても産業廃棄物からのダイオキシンの発生はほとんど無くなっている」――。