政治家と国民に与えられた「2年」の余裕

2023年4月9日および23日の両日に投票が行われた統一地方選の後、私たちは政治的空白の中にいる。現時点で予定されている次の大型の選挙は、2025年7月末に任期満了を迎える参議院議員の選挙、および同年10月下旬に任期満了を迎える衆議院議員の選挙である。つまり衆議院の解散・総選挙がないかぎり、2年以上大きな政治イベントがない見込みだ。

国会議事堂
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この間私たちは何をすべきか。少子化対策、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻などの影響で不安定な経済の対策など、政治が取り組むべき課題は山積みだが、それらはいずれも通常政治である。より大きな政治イベントに、政治家や国民が取り組む時間的・エネルギー的余裕はあるというべきである。

今こそ憲法改正を争点とした衆議院の解散・総選挙を行い、憲法改正の方向性を集約すべきではないか。そこで集約された方向性に基づき国会が憲法改正原案を練って、それを国民に対して発議(憲法96条)すべきである。今やらずして、いつやるのであろうか。

憲法に定められた国家のあり方に基づいて行われる通常政治を超えて、国家のあり方そのものを見直す「憲法政治」に取り組むべき季節だ。憲法政治において重要な政治的決定を自ら下すという、主権者たる国民の役割を突きつけられることなく、私たちは、非主権者的態度に甘んじてきた。今こそ、「改憲総選挙」の実施でそこから脱却すべきだ。