ネットゲームやネット動画を「アヘン」と呼ぶ中国政府
中国共産党政府がいま、ソーシャルゲームやネット動画コンテンツなど若者層に好まれる娯楽コンテンツを「アヘン」と指弾しながら、規制を苛烈化させているのは偶然ではない。
これはまさに「外」ではなく「内」にこもったまま貴重な若い時間を空費してしまう若者が続出していることへの危機感の表れである。中国は日本以上の少子化に悩まされており、若者たちが街に繰りだして「出会う」機会をつくることに必死なのである。そう、街より家で過ごす時間の方が楽しいのでは元も子もないのだ。
もっとも、日本には表現の自由があるため、中国のように「多産政策」の一環として「内向きの娯楽コンテンツ」を規制することなど不可能だろう。ゆえに、YouTubeにしてもNetflixにしてもツイッターにしても、各自がこれらを楽しむさいに「私たちはいま、現状を変えるための活力を奪う麻薬を摂取している」と頭の片隅でつねに自覚し、深みにはまりこまないよう自衛していくほかない。
私たちは、つまらない時間を楽しく快適にしすぎたせいで、この場所から動けなくなってしまった。