中学受験に向いていない男の子の10の特徴

実は、このような例は決して少なくありません。

東京都中学校長会が都内の全公立中651校を対象に行った調査では、私立中から転入学してきた生徒は02年度が259人、03年度は331人、04年度は359人。いじめや不登校が理由で退学したのは、全体の約45%にものぼっています。

私学で不登校になっても、公立校に転入してすんなりなじむことができればいいのですが、現実には、プライドが邪魔して公立への転入組にはその後も不登校が続くケースが少なくありません。

「公立なんてオレのいるべき場所じゃない」「あんなに勉強したのに、なんでオレが公立に行かなきゃいけないんだ」という挫折感から学校に行けなくなり、高校も低いランクのところにしか受からず、さらに傷ついて高校中退……という「自信喪失のスパイラル」にはまってしまうのです。私はこのような相談をたくさん受けてきました。

ここに中学受験に向いていない男の子の特徴を、あげてみました。3つ以上当てはまる場合には、考え直してみてください。

【中学受験に向いていない子の特徴10】
①新しいことにチャレンジしたがらない
②完ぺき主義のところがある
③ちょっとからかっただけで、本気になって怒ったり泣いたりする
④悪い点数が続くと、すぐやる気を失う
⑤ささいな失敗で、大きく落ち込む
⑥塾や習い事などで、すぐ「行きたくない」と言い始める
⑦遊びやゲームで、勝てる勝負しかしたがらない
⑧思い込みが激しい
⑨友達と遊ぶより、家でゲームをしているほうが好き
⑩口下手で、つらいことがあっても話したがらない

先生たちが和気あいあいと楽しく会話しているか

私立中学受験で重要になってくるのが、学校選びです。私がアドバイスしたいのは、次の2点です。

①打たれ弱い性格の子の場合、実力よりも少し低いランクの学校を選ぶ

打たれ弱くて自信を失いやすい男の子は、たとえ少し背伸びをして難関校に合格できたとしても、入学後、自分の実力が判明すると、「こんなハズじゃなかった……」と落ち込んで不登校になってしまうことがよくあります。

「うちの子は性格的に打たれ弱いところがあるけれど、中学受験はぜひさせたい」と考えているのなら、あえて実力より少し低めの学校を選んで、そんなに無理しなくてもついていける学校に行かせるのも、選択肢の1つでしょう。

②先生たちの仲がいい学校を選ぶ

学校に行ったら、職員室をのぞいてみてください。先生たちが和気あいあいと楽しく会話している学校は、総じて子どもたちもいきいきしています。問題が起きたときでも学校が一丸となって対処に当たってくれます。

一般に、教師の異動がない私立では人間関係の派閥ができやすく、いったんそうなってしまうと、学校の雰囲気が悪くなってしまいがちです。先生同士の緊張した関係が子どもたちにも伝染し、ピリピリしたムードになってしまうのです。

グループの陽気で学校教師空中廊下
写真=iStock.com/monkeybusinessimages
※写真はイメージです

思春期に入った男の子の心の中は、ただでさえ大人に対する反抗心に満ちています。そんなときに、先生同士で悪口を言い合っている様子を目にすると、「大人って、バッカじゃねえの」という態度が露骨に現れてしまいます。

女の子は、そういう先生とも適当に付き合える処世術を身につけていますが、男の子は大人への不信感から、勉強へのやる気が損なわれるケースがあります。

学校選択の際、カリキュラムを調べることももちろん大切ですが、それ以上に先生方自身が仲良くイキイキしているかどうかも重要なポイントなのです。