2023年の牛肉価格は上昇

なぜか。本当は来年まで育てて大きくしてから売るつもりであった牛まで、とさつして売ってしまう傾向が強くなるからである。

だから、トウモロコシ価格の高かった年には牛肉価格は下落し、その翌年は市場に出回る牛肉自体が減るため、価格は急騰することになる。

2022年夏のトウモロコシ価格はかなり高かったことから、おそらく2023年の牛肉価格は上昇するものと私は予測している。

牛肉市場をウォッチするには、米国シカゴ市場の素牛(フィーダーキャトル)先物市場が適していると思う。

「もっと自由を!」「飯を食わせろ!」

これらは牛肉市場の話だが、流れ的には豚肉も大差がない。

こういうサイクルは、農作物についてもよくあることで、その年の価格が上がっていたら、翌年はまったく振るわない。

と思ったら、その翌年は急騰したりする。

要は、農業従事者が相場を見ながら“生産調整”するわけである。

その意味で、中国は豚肉、大豆、その他もろもろの作物が不作となり、食料危機に発展する火種を常時秘めている。

豚
写真=iStock.com/DS70
大豆とトウモロコシと豚は三位一体の関係(※写真はイメージです)

すでに一部の作物については価格が急騰しているので、その不満が各地で発生するデモの要因になっている可能性もある。

2022年12月に起きた「白紙デモ」のとき、掲げられたのは白紙だけではなかった。

白紙に紛れて「もっと自由を!」、そして「飯を食わせろ!」と書かれたものもあったのだ。