縁組みが実現すると、愛子さまや相手の身分はどうなる
安倍首相退陣後の皇位継承論議のなかで、つねにこうした特定の個人を前提とした縁組みも、可能性としては念頭に置かれていた。なぜならば、現実に可能性が皆無なら、制度について議論してもしかたないから当然である。
現在の皇位継承問題議論の出発点となるのは、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議(座長・清家篤前慶応義塾長)が、菅義偉内閣のもとで設立され、岸田内閣になってから、2021年12月22日に出した報告書である。
ここでは、悠仁さまへの継承を前提にしつつ、①内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持すること、②皇族と旧宮家の男子との養子縁組を可能とすること、それができないなら③皇統に属する男系の男子を法律により直接皇族とすることを可能性として挙げている。
それを賀陽氏にあてはめると、佳子さまや愛子さまは結婚されても、皇族であり続け、一方、賀陽氏はどこかの皇族の養子になれば夫婦そろって皇族となることも可能である。そして2人が男児に恵まれた場合、天皇直系の男系男子として皇位継承権を持つことになる。
しかし、佳子さまはともかく、愛子さまはこの3年間、新型コロナ感染拡大を考慮して大学に通学さえされていない。今年4月の新学期からは通学される予定だが、まずは、学生生活を楽しんでいただき、そのうえで、結婚相手探しとなるのだろう。
数多くの縁談が報道によって潰されてきた
そんな状況下で、「お見合いまがい」の出会いの場を持たれたとは考えにくいし、逆にいうと、たとえ、そういうご縁の可能性があったとしてもこういう報道があると進めにくくなる。
過去にも、上皇陛下の時は旧宮家の北白川肇子さん、天皇陛下の時は久邇晃子さんが結婚相手として決定的な有力候補だといわんばかりの報道がされたことがある。しかし、そういう近親者との結婚は考慮の外だったとみられ、煙もないところに火事を見いだすような報道だったようだ。
また、民間の女性でも、会いもしないのに「有力候補として浮上」などと書かれて、実際にお会いする前に潰された話も多い。
私が、賀陽氏のような男性が存在することを報道するのはかまわないが、具体的に会ったとか話が進んでいるとか、確実なニュースソースもないのに書くのはいかがなものかと思う理由はそこである。