生涯にわたって独身男性の幸福度は低い

図表3は年齢別の幸福度の平均値を見ています。年齢別に幸福度を見た場合、いずれの場合も緩やかなU字型になっています。幸福度の高さの順位については、これまでの図表とほぼ同じです。最も幸福度が高いのは既婚女性であり、最も幸福度が低いのは独身男性です。

【図表】年齢別、配偶状態別の幸福度の平均値

図表3で注目されるのが70歳以降の幸福度の推移です。高齢者の幸福度は高くなりやすく、既婚女性、既婚男性、独身女性の幸福度の差はかなり小さくなっています。これに対して独身男性の幸福度は70歳以降に上昇するものの、やはり一番低く、他の場合との差が明確です。

これらの結果から、年齢別にみても生涯にわたって独身男性の幸福度が低い傾向にあることがわかります。

独身男性の幸福度は、年次別、年齢別のいずれにしても最も低くなっているのです。

独身男性の幸福度の格差が最も大きい

次に見ていきたいのは幸福度の格差です。既婚男性、既婚女性、独身男性、独身女性の中で幸福度の格差が大きいのは誰なのでしょうか。

この点を検証するために幸福度のジニ係数を計算してみました(図表4)。ジニ係数とは格差を測る場合に使われる指標であり、1に近づくほど格差が大きいことを意味し、逆に0に近づくほど格差が小さいことを意味します。

【図表】幸福度のジニ係数の推移

図表4の結果から、独身男性の幸福度のジニ係数が2000~2018年のいずれの年でも最も高いことがわかります。幸福度の格差が大きい場合、社会全体に対して不信感を募らせる傾向があることがわかっており、独身男性はこの傾向がほかの場合よりも強いと予想されます(*2)