企業単独では公正なデータを出すのが難しい

本当に重要なのは、同じ役職、同じ勤続年数など、似た属性同士での男女賃金格差が存在するかどうかと、何が原因かの仮説を構築することだ。しかし、このような検証を行うには、計量経済学の知見が必要となり、企業が単独で行うのはハードルが高いだろう。そこで、東京大学エコノミックコンサルティング(UTEcon)などでは、男女賃金格差の実態把握のためのツール「GEM App」を提供している。本当は、ダイバーシティを推進するため全力投球しているのに、男女賃金格差の単純平均値だけを見て評価してほしくない! という企業は、学術知見を活用するのも有効な手段だろう

ただし、こうした工夫をしたとしても、まだまだ課題は残ると思う。それは、どういう形で男女賃金格差を是正するかの手段である。

東京大学エコノミックコンサルティング(UTEcon)公式サイト「GEM App」ページより
東京大学エコノミックコンサルティング(UTEcon)公式サイト「GEM App」ページより
UTEcon「GEM App」サンプル版より
UTEcon「GEM App」サンプル版より