安定的に高いNHK大河ドラマの視聴率推移
日本人の歴史好きをいやでもかき立てているのはNHKが毎年、日本史上の人物を取り上げてドラマ化している大河ドラマである。
毎年、年間を通じて放映されるNHK大河ドラマは、取り上げられた時代や人物についての歴史本や小説がベストセラーになったり、舞台となった地域自治体がそれを契機に観光振興や関連するまちづくりを積極化したりし、総じて国民の大きな関心を集めることで知られている。
図表2には、2000年以降の各番組について、世帯視聴率の推移を掲げた。
もっとも視聴率(期間平均視聴率)が高かったのは、江戸時代末期、薩摩藩から将軍家に嫁いだ天璋院篤姫を描いた2008年放映の「篤姫」(宮崎あおい主演)の24.5%だった。次点は、戦国武将前田利家とその妻まつを描いた2002年放映の「利家とまつ」(唐沢寿明・松嶋菜々子主演)の22.1%だった。
逆に視聴率が最低だったのは、翌年開催が予定されていた(実際はコロナのため一年延期された)東京オリンピックにあわせ、日本人初のオリンピック選手となった「日本のマラソンの父」金栗四三と東京オリンピック招致に尽力した田畑政治の2人の主人公にした2019年放映の「いだてん~東京オリムピック噺~」(中村勘九郎・阿部サダヲ主演)の8.2%だった。