3年連続日本一の志願者数となったのが明治大だ。2011年より585人減の11万3320人だった。志願者減となったものの、2位の早稲田大に4793人の差を付けた。2010年は2位早稲田大との差が185人、11年は252人と僅差だったが、12年は大きな差になった。

明治大は少子化が進んでいる中で志願者を増やし、07年から志願者10万人台をキープしている。学部・学科の新設や入試改革、キャンパスの整備などを積極的に行い、受験生の人気がアップしてきている。

改革はこれからも続き、13年には新しく中野キャンパスがオープン。そこに新しく総合数理学部(現象数理、先端メディアサイエンス、ネットワークデザインの3学科)の設置を認可申請中だ。さらに、和泉キャンパス(東京都杉並区)にある国際日本学部が中野キャンパスに移転する予定だ。

さらに、14年には閉園した遊園地の多摩テック跡地(東京都日野市)に南多摩キャンパスを新設し、スポーツパーク(仮称)を開設する計画を進めている。学生競技スポーツの振興を図るための練習施設、学習環境、住環境の充実を図っていくという。さらに、ここに新しくスポーツ科学部(仮称)設置の計画も進められている。

こういった明治大の動きは、受験生や高校の進路指導教諭から高く評価されている。11年7月に大学通信は全国の進学校の進路指導教諭対象に、アンケート調査を実施した。625校から回答が寄せられ、その中で「改革力が高い大学はどこですか」と聞いたところ、明治大は2位に評価された。さらに、「生徒に人気がある大学はどこですか」の質問に対して、早稲田大に次ぐ第2位に入った。

高い評価はこれだけではない。同じように「就職に力を入れている大学はどこですか」と聞いたところ、第1位が明治大だった。最近の受験生や保護者は、将来のことを考えながら、大学や学部・学科を選ぶ傾向が強い。高校でキャリア教育が熱心に行われている影響もある。この不況で就職が厳しい状況では、大学卒業後の進路が気になるのは当たり前のことかもしれない。そういった中で、就職に力を入れ実績を残している明治大の強さは、ひとつのブランドになって高く評価されている。