進学先選びは自由だが、東大はお勧めできない

悠仁さまの大学進学では、一発勝負の試験を受けて成績を公開でもしない限りは、正規のAO入試で合格しても誹謗ひぼう中傷の対象になるだろう。「特別の配慮がされて、誰か一人がそれで落とされた可能性がある」とか「噂がある」といった難癖は常に可能だ。

悠仁さまの進学先選びは、本人が行きたいところに行かれれば良いことであるというのが基本だ。悠仁さまが普通の高校生と同じように情実なしの試験を受けてみようというのなら、そうされたらいい。一浪くらいならされても良いと思うし、それは悠仁さまとしての権利だ。

ただ、東京大学はお勧めできない。悠仁さまは理系志望らしいが、私立大学と比べて留年が多いし、理Iや理IIは進学後の成績で学科を振り分けられるので入学後がきつい。大学時には帝王教育も本格化するはずで、悠仁さまの負担が多すぎる。

天皇陛下に高校入学のあいさつをするため、皇居に入られる秋篠宮家の長男悠仁さま
写真=時事通信フォト
天皇陛下に高校入学のあいさつをするため、皇居に入られる秋篠宮家の長男悠仁さま=2022年4月9日、皇居・半蔵門[代表撮影]

幼稚園から大学院まで学習院コースは異例だった

大学を選ぶひとつの観点として、国際感覚を磨くのに有利な所にしてほしいと思う。歴代天皇も、国際化教育で苦労されている。

昭和天皇は、初等科のみ学習院で、そののち御所内の学問所で学ばれたが、陛下自身がのちに「籠の鳥のようだった」と振り返られたような状況だった。近代君主としての素養が軽視されていると三浦梧楼や山縣有朋、松方正義、西園寺公望ら元老が進言して、長期間の欧州歴訪をしていただいて方向転換がされた(大正天皇も洋行を希望されたが実現しなかった)。

上皇陛下は大学まで学習院だが、昭和天皇の「西洋の思想と習慣を学ばせる」という意向で、アメリカ人の司書・作家であるバイニング夫人が家庭教師を務めたし、エリザベス女王戴冠式出席を機に長期の欧米歴訪を優先したので大学は卒業されていない。

学習院は天皇陛下のために幼稚園を再設置し、陛下は大学院まで学ばれたが、このように学習院を重視されたのは、むしろ異例だった(美智子妃殿下は自分が学習院OGでなかったので、学習院に配慮されたのかもしれない)。そのかわりに、大学院途中で英国のオックスフォード大学に2年間留学され、秋篠宮殿下も、学習院大学卒業後に同じ大学に留学された。