「幸甚」を使うべきなのはどんな場面か

×NGメール
こちらだけ先にお願いしてよろしかったでしょうか。

○OKメール
最初に、添付した資料の確認からお願いできますでしょうか。

■ダメな理由

「こちら」が何を示しているのか、「何を」お願いしたいのかがはっきり書かれていません。「よろしかったでしょうか」は、バイト敬語です(後述)。「これ、それ、あれ、どれ」といった指示語(別名こそあど言葉)は、何を指すのかわかりづらく、読み手の負担になる場合が多いです。

×NGメール
○○様にお会いできて、幸甚です。

○OKメール
(1)○○様にお会いできて、とても嬉しく思います。

○OKメール
(2)面会の時間を取っていただき、幸甚です。

■ダメな理由

「幸甚」は、「非常にありがたい」「この上ない幸せである」という感謝を表す表現です。相手が自分のためにしてくれた(これからしてくる)心づかいに対して使う言葉であり、自分の行動には使いません。

■「幸甚」を使うときのポイント

「~ていただき」「~くださいましたら」とセットにすると使いやすい(例:「~ていただき幸甚です」「~くださいましたら幸甚です」)。社外の目上の人に使う(社内では使わない)。親しい人・簡単なお礼には使わない(「この上ない幸せ」という意味があるため多用しない)。

頭を抱える女性
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

「~が」で文を続けない

×NGメール
○○課長、さきほど資料を送っていただいたのですが、今、外回りなので時間がかかるんですが、でも、もう少ししたら終わるかもしれないので、終わったら確認をしようと思いますが、それでよろしいですか。

○OKメール
○○課長、資料を受け取りました。今、外回りをしており、○時には終わる予定です。社に戻り次第、資料を確認します。お待たせしてしまい、申し訳ありません。よろしくお願いします。

■ダメな理由

「伝えたいこと」をすべて1文の中に入れ込んだ結果、「何を、どうしたいのか」「どういう状況なのか」が、わかりにくくなっています。「~が」「~ので」で文を続けないで、伝えたい情報ごとに文を区切ったほうが、正確に伝わります。

×NGメール
聞きたいことがあるのですが、自分はA案よりB案で今回のプロジェクトが進むと思ったのですが、課長がB案についてミーティングをすると言っていたのですが、どっちで進むのかがわからないのですが。

○OKメール
教えていただきたいことがあります。ミーティングでは、プロジェクトのA案とB案、どちらの案について話し合うのでしょうか。

■ダメな理由

「~が」で文を続けているので、主語(誰が、何が)と述語(どうした)の関係がわかりにくくなっています。「~が」は「逆接」(前に述べたことを否定する)のときに使用したほうが伝わりやすいです。「単純な接続」(文と文を単純につなげる)として使用した場合、文意が混乱しやすくなります。