小学校高学年くらいから、女の子はお父さんと距離を置くようになります。事前アンケートでも、会話がなくなったという回答が多数。パパライターが、世の夫を代表し2人の専門家に対処法を聞きました。夫にも教えてみては。

教えてくれたのは

植木理恵先生

心理学者。慶應義塾大学講師。臨床心理士として、東京都内の病院の心 療内科に勤務。著書に『フシギなくらい見えてくる!本当にわかる心理学』『小学生が「うつ」で自殺している』『「ココロのため息」がスーッとなくなる本』 など多数。また、講演活動やフジテレビ系「ホンマでっか!?TV」などのコメンテーターとしても活躍中。

明橋大二先生

精神科医。真生会富山病院心療内科部長。小学校スクールカウンセ ラー、児童相談所嘱託医、「子どもの権利支援センターぱれっと」理事長も務めながら、年100回以上の講演活動を行う。著書『子育てハッピーアドバイス』 シリーズは、400万部を超えるベストセラーに。また、読売新聞で「子どものこころ相談室」も連載。


“普通の中学生は”“一般的には”は禁句です

女心って難しいものなんですね。でも、父親としては、女友達でも男友達でも、どんな子と付き合っているのかは気になるし、心配なんだよなぁ。帰りが遅かったら、怒鳴ってしまう気持ちもよくわかる。それが反発を招くと言われても……。

「そうですね。そもそも男性というのは、高度に社会化された生き物なんです。だから物事を一般化することが好きなんです。娘さんの帰りが遅いと『中学生が夜遊びするなんて非常識だ。普通の中学生はそんなことはしない』という怒り方をお父さんはするわけです。これが女の子には受け入れられない」

えーっ! どうして?お前の行動は非常識だなんて言われたら、男は相当ショックを受けるけどなぁ。

「そう。男の子には『ならぬことは、ならぬ』が通じるんです。でも女の子、特にアイデンティファイエイジの女の子は『自分』という意識が強いから、そんなことを言われても『だから何なの?』としか思えない。ほかの『一般的な女の子』なんて関係ない。私には私の考えがあるのよ――と考えるわけです。だからお父さんに『非常識だ』なんて言葉を言われると、ものすごく反発するわけです」