「箱根駅伝2023」はどんな展開になるのか。連覇を狙う青学大、3冠を目指す駒大が二大優勝候補だが、レース展開同様に注目されているのが「厚底ウォーズ」だ。例年、高いシェア率を誇るナイキを筆頭にアディダス、アシックス、ニューバランスなどのメーカーがしのぎを削っているが、スポーツライターの酒井政人さん「意外なブランドが躍進するとみています」という――。
マラソン大会を走る人々の足元
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箱根駅伝Vの行方とともに「足元」にも脚光

例年25%以上の視聴率を誇る箱根駅伝。2023年大会は、出雲駅伝と全日本駅伝に続く“3冠”を狙う駒澤大と、“連覇”して直近9年で7度目の優勝を目指す青山学院大の2強対決が予想されている。さらに出雲と全日本で2位に入った國學院大、前回準優勝の順天堂大、24年大会の優勝を狙っている中央大などが熱い戦いを繰り広げるだろう。

近年はランナーたちの足元も脚光を浴びている。2017年夏にナイキがカーボンプレート搭載の厚底シューズを一般発売。この“魔法のシューズ”を履く選手たちが快走を連発して、いつしか箱根路は“ナイキ一色”に染まった。

厚底登場前の17年大会は出場210人中36人(17.1%)だったナイキは21年大会で210人中201人まで上昇。着用率は驚異の95.7%に到達した。

前回22年大会はアシックスが逆襲する。前年0人から24人(11.4%)までV字回復を果たしたのだ。

シューズシェア率は1年単位で大きく変貌している。箱根駅伝2023の“厚底ウォーズ”はどうなるのか。

まずは前回の22年大会の着用シューズをおさらいしたい。出場210人が着用していたのは以下の通りだ(カッコ内は21年大会の人数)。

①ナイキ154人(201人)②アディダス28人(4人)③アシックス24人(0人)④ミズノ2人(3人)⑤ニューバランス1人(2人)⑥プーマ1人(0人)

王者ナイキがシェアを下げたとはいえ、圧倒的な強さを示した。アディダスとアシックスがパイを奪い返すも、ミズノとニューバランスは2年連続で低迷した。